主計町茶屋街
「暗がり坂」と呼ばれる石段を下り、風の通り道のような入り組んだ小路を抜けると、瀬音もかすかに、美しく曲線を描くその姿から「女川」と称される浅野川が姿を現す。
あたたかな光に満たされた川沿いには、時が止まったかのような町家が所狭しと並び、桜の枝越しに見える浅野川大橋のアーチが昔の面影を残している。
お茶屋や料理屋、酒場が軒を連ねる街を行き交う人はまばらでも、明治の風情をそのままに残す姿には、凛とした意志が感じられます。
空が広がる川沿いの表通りから一歩路地裏へと入ると、昼間でも薄暗い細い苔むした小路へと景色が一変する二面性に、食と芸妓の町として知られる主計町(かずえまち)の背後にある艶やかな気配が見え隠れします。
映画のような世界に没入する
夕暮れ時、河畔にガス燈が灯る頃になると、街には色気が立ち現れてきます。
夜が空から降りてきて、あたりが濃い青に染まるまでの僅かな時間、この街は最も美しい姿を見せます。
縁側に腰掛けると、芸妓が奏でる三味線と太鼓の音がどこからとなく聴こえてくる。
人影もまばらになる夜を見計らって、石積みや格子戸の町家が建ち並ぶ裏路地を歩くと、まるで映画の世界に入り込んだかのような錯覚を覚えます。
風知空知について
食の宝庫、金沢を味わう
海にも山にも近い金沢の、食の宝庫と言われるほど豊かな食文化をお楽しみいただくために、宿ではあえてお食事の提供をせず、地元の店に精通したスタッフがセレクトした飲食店リストをご提供いたします。
近江町市場で新鮮な海の幸を買い出し、宿のキッチンで調理する。地域に根差した料理屋で金沢の四季を味わい、酒場に繰り出し街を知る。
二度、三度と季節を変えて滞在することで、様々な金沢の魅力をお楽しみください。
穏やかに時を過ごす
yumiko iihoshi porcelainの磁器作家イイホシユミコが宿や街からインスピレーションを得て制作したソープディッシュや厳選した器たちの、繊細な色彩とデザインが生み出す宿との一体感。
アメニティには創業100年の金沢「石田屋」の寝具、柔らかな肌触りのルームウェア、オリジナルの石鹸やアロマロールオン、地元素材を使ったハーブティーと金沢をイメージしたコーヒーを。
静謐をたたえる裏路地や、優雅に流れる浅野川のように、穏やかで贅沢な時間をお過ごしください。